そろばん検定に落ちた日、親は何も言わなくて大丈夫
- 結果は検定の翌週水曜にLINEで届きます。先に見るのは保護者の方です。
- 点数だけで判断されないよう、必ず先生のコメントを添えてお送りしています。
- KSJは「ギリギリ届くかもしれない級」をあえて勧めています。事前に保護者の方にもお伝えしています。
- 落ちる子の多くはあと1問か2問。次の検定では余裕を持って合格していきます。
- お子さんには何も言わなくて大丈夫。コメントを一緒に読んで「次またがんばろうね」だけで十分です。
スマホに検定の結果が届いて、画面を見たまま手が止まっている。
「なんて言おう」
この記事を読んでくださっているのは、いまそういう場面にいる方かもしれません。先に結論をお伝えします。何も言わなくて大丈夫です。
こんにちは、川上スクールジャパン(KSJ)代表のたけのり先生です。指導歴25年、世界26ヶ国・770名以上のお子さんを見てきました。
今日は、KSJが「落ちるかもしれない級」をあえて勧めている理由と、落ちた子がそのあとどうなっていくのかをお話しします。

結果は翌週水曜、LINEで届きます
まず、結果の伝わり方から。
KSJでは、検定があった週の翌週水曜に結果を発表しています。LINEでお送りするので、先に目にするのは保護者の方です。そしてお子さんに伝えていただく、という流れになります。
このとき、ひとつだけ大事にしていることがあります。
点数だけを見て判断されないように、必ず先生からのコメントを添えていることです。
普段の練習では良くできていたのに本番で緊張してしまった子と、練習量がもともと足りなかった子とでは、同じ不合格でも意味がまったく違います。だから検定までの過程も一緒に見ていただけるようにしています。
検定そのもののしくみは、そろばん検定のしくみ完全ガイド|2ヶ月ごとに400名が挑戦にまとめています。
まず、挑戦したことを褒めます
不合格だったお子さんへのコメントで、私たちが最初に書くことは決まっています。
検定に挑戦したこと自体を褒めます。
正直にお伝えすると、KSJの生徒さんで「練習量が足りなくて不合格」という子は、あまりいません。
むしろ逆です。「合格がギリギリできるかもしれないから、挑戦してみよう」とお勧めして受けてもらっているので、しっかり本番まで頑張ったうえで点数が届かない、というお子さんがいるのです。
だから、まず褒めます。そのうえで、こう伝えます。
検定に向けて練習したことで、数週間前より確実に上手になっているよ。次の検定に向けて、また一緒にがんばろうね。
なぜ、確実に受かる級を勧めないのか
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
安全な級だけを受けさせれば、合格率は上がります。落ち込む子も減ります。それでもKSJは、少し背伸びした級を勧めています。
理由は2つあります。
理由①|目標に向かってがんばると、成長が加速するから
検定に合格することは、もちろん大事です。ただKSJでは、目標に向かってがんばること自体が成長を加速させると考えています。
「余裕で合格できるようになるまで、ダラダラ練習する」よりも、「少し無理かもしれないけれど、数週間がんばれば届く」ほうが、伸びるスピードが上がります。
理由②|子どもの時間は、とても貴重だから
そしてもうひとつ。
子どもたちの時間は、とても貴重で大切です。
確実に受かるまで待っている時間は、その子にとって「無駄な時間」になってしまいます。同じ数ヶ月を過ごすなら、少し背伸びして、その分だけ先に進んでほしい。そう思っています。
「勝手に落ちる級を受けさせた」わけではありません
ここは誤解のないようにお伝えしておきたいところです。
ギリギリの級をお勧めするときは、事前に必ず保護者の方にお伝えしています。
「KSJはこういう考え方なので、この級をお勧めします。ただし最終的な判断は、ご家庭で相談して決めてください」と。
ありがたいことに、ほとんどのご家庭が「それなら挑戦しましょう」と背中を押してくださいます。合格そのものよりも、そこで得られるもののほうが大きいと分かってくださっている。私たちはとても助けられています。
落ちる子の多くは、あと1問か2問です
実際のところ、不合格になったお子さんの多くはあと1問か2問のところで届いていません。
そういうお子さんは、自分でも分かっています。がんばった結果、ここまで点数が伸びたということを、体で実感しているのです。
だから、2ヶ月後の検定に向けて、さらにがんばってくれます。
そして次の検定では、だいぶ余裕を持って合格していきます。そのとき本人が気づきます。前回の不合格は、無駄ではなかったのだと。
これが、結果だけを見て判断する仕組みだったら、保護者の方も本人も不満が残ってしまうかもしれません。きちんと理由があったうえで挑戦して、それを次につなげられるから、KSJはこのやり方をこれからも続けていきます。
子どもたちには、いつでもちょっとした背伸びが必要なんです。
何度も落ちながら十段までたどり着いた男の子の話は、「本当にそろばんスゴイの?」と思うような子でした|十段に落ち続けた男の子でお話ししています。

保護者の方は、何も言わなくて大丈夫です
さて、冒頭の話に戻ります。
結果を受け取って「なんて声をかけよう」と迷われたとき。何も言わなくて大丈夫です。
やっていただきたいのは、これだけです。
- 先生からのコメントを、お子さんと一緒に読む
- 「次またがんばろうね」と言う
それで十分です。慰めの言葉を探す必要も、励ましの言葉をひねり出す必要もありません。
お子さんは、自分がどれだけがんばったかを知っています。そこに評価を足す必要はないのです。

検定に落ちて辞めることは、おすすめしていません
最後に、正直な気持ちをお伝えします。
KSJでは、検定に不合格だったことをきっかけに辞めることは、あまりおすすめしていません。
不合格だとモチベーションは下がります。それは当然のことです。でもそこを乗り越えて、次で合格してから卒業する。それなら、まったく問題ないと思っています。
理由があります。
子どもは大きくなるにつれて、うまくいかないことのほうが多くなっていきます。そういう場面のたびに気持ちが下がって、辞めてしまう。その癖をつけてほしくないのです。
うまくいかない時期を乗り越えられた——その自信を、子どものうちに身につけてほしいと思っています。
とはいえ、続けるかどうかの判断はご家庭それぞれです。迷われている方には、そろばんのやめどきはいつ?何級まで続けるか本音解説も参考にしていただけたらと思います。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 検定はどのくらいの頻度でありますか?
KSJでは2ヶ月ごとに実施しており、毎回およそ400名が挑戦しています。落ちても、2ヶ月後にまた挑戦できます。
Q. 受ける級は誰が決めるのですか?
KSJからお勧めをお伝えしますが、最終的な判断はご家庭で決めていただきます。ギリギリの級をお勧めするときは、その旨を事前にお伝えしています。
Q. 何度も落ちてしまったらどうすればいいですか?
そのお子さんの状況を見て、級の見直しも含めて一緒に考えます。無理に背伸びを続けさせることはありません。
Q. 検定は必ず受けないといけませんか?
受検は任意です。ただ、目標があるほうが伸びやすいので、モチベーションの面からお勧めしています。
Q. 本番で緊張してしまう子はどうしたらいいですか?
緊張への向き合い方は、そろばん検定で緊張する子への対処法でくわしくお伝えしています。
まとめ
- 結果は翌週水曜にLINE。先に見るのは保護者の方です
- 点数だけで判断されないよう、先生のコメントを必ず添えています
- KSJは「ギリギリ届くかもしれない級」をあえて勧めています(事前にお伝えしています)
- 理由は成長が加速するから、そして子どもの時間が貴重だから
- 落ちる子の多くはあと1問か2問。次は余裕を持って合格していきます
- 保護者の方は何も言わなくて大丈夫。コメントを一緒に読んで「次またがんばろうね」だけで十分です
不合格の通知は、見るのがつらいものです。でもその紙の向こうには、数週間前より確実に上手になったお子さんがいます。
次の検定は、2ヶ月後です。


