海外赴任でそろばんをやめる前に|渡航1ヶ月半前に動くご家庭のリアル
- ご連絡をいただくのは渡航のおよそ1ヶ月半前、赴任が決まった直後が多いです。
- 荷造りが始まると勉強できる環境がなくなるため、その前に決めてしまうご家庭が目立ちます。
- 今まで覚えてきた指使いややり方は、基本的に変えません。
- 持っていくのはそろばんと、数ヶ月分のテキストです。現地で印刷できないことがあるからです。
- 日本のそろばんの先生から、生徒さんを託されることもあります。
「海外赴任が決まりました」
その日から、頭の中はやることでいっぱいになります。住まい、学校、ビザ、荷物。決めなければならないことが次々に押し寄せてきます。
そのなかで、後回しになりやすいものがあります。お子さんが続けてきた習い事です。そして後回しにされたまま、「仕方ないね」と静かに終わってしまうことがあります。
こんにちは、川上スクールジャパン(KSJ)代表のたけのり先生です。指導歴25年、世界26ヶ国・770名以上のお子さんを見てきました。
先月も今月も、これから海外へ行くご家庭の入会がありました。今日は、そういうご家庭が実際にいつ動いて、何を心配して、何を持っていくのかを、そのままお話しします。

ご連絡をいただくのは、渡航のおよそ1ヶ月半前です
まず時期のお話です。ご連絡をいただくのは、渡航のおよそ1ヶ月半前がいちばん多いです。
おそらく、赴任が決まった直後だと思っています。決まって、家族で話をして、それから動き出す。その流れのなかで、わりと早い段階でご相談いただいている感覚があります。
なぜその時期なのか。理由がはっきりしています。
荷造りが始まってしまうと、家のなかに勉強できる環境がなくなるからです。机が片付き、荷物がまとまり、部屋が箱でいっぱいになる。そうなってからでは、落ち着いて何かを始めるのは難しくなります。
だから、その前に決めてしまう。そして必要な道具を荷物に入れて持っていく。この順番で動かれるご家庭が多いです。
もちろん、向こうに着いて生活が落ち着いてから探される方もいらっしゃいます。どちらが正しいということはありません。ただ、荷造りの前と後では、動きやすさがずいぶん違うということは、お伝えしておきたいと思いました。
ご相談は、大きく2つに分かれます
いただくご相談は、すでにそろばんを習っているご家庭と、これから始めるご家庭の2つに、はっきり分かれます。
すでに習っているご家庭
すでに習っているご家庭は、そろばんの良さをよくご存じです。だからこそ「やめる」という選択にためらいがあります。
そのぶん、心配される点も具体的です。オンラインで続けていけるのか。そして指使いなどのやり方が変わってしまわないか。ここを気にされる方がとても多いです。
これから始めるご家庭
意外に思われるかもしれませんが、これから始めるご家庭はあまり悩まれません。ふだんオンラインで習い事を始める方と、同じような感じでお問い合わせをくださいます。
比べるものがない分、かえって身軽なのかもしれません。
「指使いは変わってしまいませんか?」——変えません
いちばん多いご質問に、先にお答えします。KSJでは、基本的に変えません。
そろばんは、教室によってやり方に違いがあります。指の運び方、珠のはらい方、書き方。そのどれもが、お子さんが時間をかけて体に入れてきたものです。
今まで覚えてきたことを、無理やり変える必要はないと思っています。
KSJにはKSJのやり方があります。ただ、だいたいのやり方を指導できるようにしていますので、教室の側としてはまったく問題がありません。前の教室のやり方のまま続けていただけます。
変えないほうが、お子さんは安心して続けられます。引っ越しという大きな変化のなかで、そろばんだけはこれまでと同じ。それくらいでちょうどいいと思っています。
持っていくのは、そろばんと数ヶ月分のテキストです
渡航前にご用意いただくものは、そろばん本体と、数ヶ月分のテキストです。
なぜ数ヶ月分もまとめて持っていくのか。現地でプリントを印刷できないことがあるからです。
これは、海外にお住まいの保護者の方からいつも言われることなのですが、
日本のように、コンビニで印刷できる環境ってめちゃくちゃ幸せなんですよ
日本にいると当たり前すぎて気づきません。ですが、国によっては家庭用プリンターがなければ印刷する場所を探すところから始まります。
だからこそ、荷造りが始まる前に決めて、テキストを荷物に入れておく。この段取りが効いてきます。1ヶ月半前という時期は、そのためにちょうどいいのだと思います。
日本では進まなかった子が、海外で伸びていきました

ひとり、忘れられないお子さんがいます。
日本にいたころ、その子はなかなか進みませんでした。お母さんに甘えてしまって、練習が思うように進まない。よくあることですし、責められることでもありません。
ところが海外に移ってから、急に成長が早くなったのです。
何があったのだろうと不思議に思って、聞いてみました。
学校で計算がとても速いことを褒められたのだそうです。そして、それをきっかけにたくさん友達ができた。
そこからそろばんが好きになり、自信がついて、どんどん上達していきました。日本にいたころの様子を知っているだけに、この変わりようは印象に残っています。
もちろん、すべてのお子さんがこうなるわけではありません。環境が変わってしばらく元気が出ない子もいますし、そのほうが自然なこともあります。
ただ、環境が変わることは、その子にとってマイナスばかりではない。これだけは、不安のなかにいるご家庭にお伝えしておきたいと思いました。海外で日本の子が持っていきやすい武器として、計算の速さはかなり強いほうです。
海外に渡ったご家庭が実際にどんなふうに学んでいるかは、海外在住でもそろばんは習える|26ヶ国の生徒が学ぶオンライン教室のリアルにくわしくまとめています。
そろばんの先生から、生徒さんを託されることがあります
これは、書くと少し照れくさいのですが。
日本のそろばん教室の先生から、直接ご紹介いただくことが、とてもよくあります。
そろばん業界のなかで「オンラインといえばKSJ」と広まっているようで、海外に転勤するけれどそろばんを続けたいという生徒さんがいるときに、先生方からお願いされるのです。
本来なら、生徒さんが他の教室へ移るのは寂しいことのはずです。それでも「この子を頼む」と送り出してくださる。ありがたいことだと思っています。
そうして来てくれた生徒さんは、みんなとても上手です。前の教室で大事に育てられてきたことが、すぐに分かります。だからこそ、そのやり方を変えずにお預かりしています。
青森の小さな教室に世界中から生徒が集まるようになった経緯は、青森の小さな教室に、世界26ヶ国から生徒が集まった話でお話ししています。
日本語に触れる時間としても、続ける意味があります
もうひとつ、渡航前には気づきにくいことをお伝えします。
海外に出ると、お子さんが日本語を使う時間は思っている以上に減ります。学校では現地の言葉、友達とも現地の言葉。家のなかだけが日本語、という生活になります。
そろばんのレッスンは日本語で進みます。数を数えて、先生の読み上げを聞いて、返事をする。週に何度かのその時間が、日本語に触れる貴重な時間になっているご家庭は少なくありません。
この話は、海外の子どもの日本語を維持する「もう一つの方法」でくわしく書きました。一時帰国のときに気づかれるご家庭が多い話です。

渡航してしばらく経つと、「前より日本語が出てこなくなったかもしれない」と感じる時期が来るご家庭もあります。そう思った日にできることは、海外で子どもの日本語が抜けていくと感じたときの対処法にまとめました。あわてて詰め込む必要はありません。気づいた時点で何か始めれば、それで十分です。
赴任の予定があるなら、はじめからオンラインという選び方もあります
最後に、これから決める方へ。
子どもたちが頑張ってきた習い事をやめてしまうのは、とても寂しいことです。それでも、環境が変わるのですから、仕方のない決断であることも分かります。
ただ、今はオンラインで続けられる習い事も増えました。ですから、海外赴任の予定があるのであれば、はじめからオンラインという選び方も良いかもしれません。そろばんに限らず、です。
日本にいるうちに始めておけば、引っ越してもやめずにそのまま続けられます。環境が変わる時期に「変わらないものが一つある」というのは、お子さんにとって思った以上に大きな支えになります。
そろばんについては、KSJが責任をもって上手にします。ぜひ、オンラインでそろばんを始めてみてください。
なお、習い事を続けるか区切りをつけるかで迷っている段階の方には、習い事のやめどき5サイン|770名指導で見た続ける家庭・離れる家庭も参考になるかもしれません。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 渡航してからでも入会できますか?
できます。現在、世界26ヶ国から約280名の海外在住の生徒さんが受講中です。落ち着いてからご連絡いただいても問題ありません。
Q. 時差があっても受けられますか?
受けられます。アメリカ・カナダは日本時間の午前中、アジアは午後3時から8時、ヨーロッパは月・水・金の24時から26時の時間帯にレッスンを設定しています。お住まいの国に合わせてご相談いただけます。
Q. 海外だと料金は変わりますか?
変わりません。KSJの料金は全世界共通で、海外にお住まいでも追加料金は一切かかりません。お支払いはクレジットカード・PayPal・お振込みに対応しています。
Q. 今の教室と、やり方が変わってしまいませんか?
基本的に変えません。今まで覚えてきた指使いややり方は、そのまま続けていただけます。KSJではだいたいのやり方に対応して指導しています。
Q. 検定は海外でも受けられますか?
受けられます。KSJの検定はすべてオンラインで実施しているため、海外在住の生徒さんも国内の生徒さんと同じ条件で受検できます。
Q. 帰国したら、また教室を変えることになりますか?
その必要はありません。オンラインですので、帰国後もそのまま続けていただけます。赴任・帰国・再赴任と状況が変わっても、教室を変えなくてよいのはオンラインの大きな利点です。
まとめ
- ご連絡をいただくのは渡航のおよそ1ヶ月半前。赴任が決まった直後が多いです
- 荷造りが始まる前に決めておくと、道具を荷物に入れて持っていけます
- 持ち物はそろばんと数ヶ月分のテキスト。現地で印刷できないことがあるためです
- 今までの指使いややり方は変えません。変えないほうが安心して続けられます
- 日本のそろばんの先生から生徒さんを託されることもあります
- 赴任の予定があるなら、はじめからオンラインを選んでおくという考え方もあります
引っ越しの荷物のなかに、そろばんとテキストを入れておいてください。それだけで、お子さんが積み上げてきたものは、海の向こうでも続いていきます。
お住まいの国に合う時間帯や、今の教室のやり方のことなど、気になる点は無料体験のときに何でもご相談ください。


