そろばんは学校の授業でいつ習う?小3・小4の中身と、その2時間で起きていること
- 学校のそろばんの授業は小学3年生と4年生の算数にあります。なくなってはいません。多くの学校で3学期に行います。
- 時間は3年生で2〜3時間、4年生で2時間ほど。2学年あわせても5時間前後です。
- 内容は珠の入れ方から、1桁、進んで2桁の加減算まで。学習指導要領でそこまでと決まっています。
- この授業をきっかけに始めて、2年で1級に合格したお子さんがいます。しかも一人ではありません。
- 授業でうまくできなくても大丈夫です。初めてのことは、うまくいかないほうが自然です。
「今日、学校でそろばんやったよ」
3年生のお子さんが、ある日そう言って帰ってくることがあります。教科書の後ろのほうに、ほんの数ページだけ出てくる単元です。楽しかったと言う子もいれば、よく分からなかったと言う子もいます。
こんにちは、川上スクールジャパン(KSJ)代表のたけのり先生です。指導歴25年、世界26ヶ国・770名以上のお子さんを見てきました。
今日は、学校のそろばんの授業についてお話しします。いつ習うのか、何をするのか。そしてその数時間で、実際に何が起きているのかを、そろばん教室の側からお伝えします。

そろばんは学校の授業で何年生に習いますか?
小学3年生と4年生の算数で習います。多くの学校では3学期です。
「そろばんの授業って、もうなくなったのでは」と思われている方がいらっしゃいますが、なくなっていません。学習指導要領にきちんと位置づけられています。3年生では「そろばんによる数の表し方を知り、簡単な加法・減法ができるようにする」こと、4年生では「そろばんを用いて加法・減法の計算ができるようにする」ことが定められています。
時期が3学期に集中しているのは、教科書の単元の並び順によるものです。たとえばある教科書会社の年間指導計画では、3年生のそろばんは三角形と角のあとに置かれ、そのすぐ次が「3年のふくしゅう」という配置になっています。つまり、1年間の学習をひととおり終えたあとの、いちばん最後のほうです。
学校で触れるそろばんは、全部で5時間ほどです
3年生で2〜3時間、4年生で2時間ほど。合わせても5時間前後です。使っている教科書によって多少前後します。
内容はおおよそ次のような流れです。
- 3年生:そろばんの各部の名前、珠の入れ方・取り方、そろばんでの数の表し方、繰り上がりのない加算と繰り下がりのない減算、そこから繰り上がり・繰り下がりのある計算へ
- 4年生:3年生の続きとして、そろばんを使った加算・減算
5時間というのは、そろばんの仕組みを知って、実際に触ってみる。そこまでの時間です。使いこなせるようになる時間ではありません。
これは学校が悪いわけでも、先生の教え方の問題でもありません。算数には他にも教える内容がたくさんあって、そのなかでの配分がこうなっている、というだけの話です。
正直にお伝えすると、少しもったいないと思っています
ここからは、そろばんを教えている側の正直な気持ちを書かせてください。
学校の授業でやるのは、1桁の計算と、進んでも2桁の加減算までです。ただ、たけのり先生はこう言います。
正直なことをいうと、3年生の子どもたちは、すでに2桁くらいの計算は頭で答えが出てしまうんですよ。
ここが、いちばんもったいないところです。
3年生といえば、すでに九九を覚えて、筆算もできるようになっている学年です。その子たちに「そろばんで 34+52 をやってみましょう」と言っても、多くの子は珠を動かす前に86という答えが頭に浮かんでいます。
すると、どうなるか。そろばんが「わざわざ遠回りをする道具」に見えてしまうのです。せっかく手に取ったのに、便利さを感じないまま単元が終わってしまう。
せっかくそろばんの授業をやるのであれば、3桁の加減算や、かけ算までできればいいと思うんです。指導要領が2桁までなので、仕方がないのですけどね。
これは学校の先生に向けた不満ではありません。決まりがそうなっている、というだけです。ただ、そろばんを25年教えてきた立場としては、いちばんおいしいところの手前で終わってしまうのが、どうしても惜しいのです。
かけ算こそ、そろばんのすごさが伝わるところです
そろばんの本当の強みは、計算が難しくなるほどはっきり出ます。その理由は、計算する向きにあります。
たとえば 23×4 を考えてみます。
筆算は、後ろから計算します。まず 3×4 で12。1を繰り上がりとして覚えておいて、次に 2×4 で8。そこに覚えておいた1を足して9。答えは92です。後ろから始めて、前に戻ってくる動きになります。
そろばんは、先頭から計算します。2×4 から始めて、次に 3×4。前から後ろへ進んでいくだけです。戻る動きがありません。
珠算の場合は先頭から計算していくので、無駄な流れがなくなります。後ろの数字に進むにつれて、自然と答えが出る。難しい計算になればなるほど、実感できると思います。

2桁の足し算では、この違いは体感できません。けれど桁が増えれば増えるほど、「戻らなくていい」ことの強さが効いてきます。難しいかけ算が、こんなに簡単に速くできるのか。子どもたちが驚くのは、いつもそこです。
その驚きに出会う手前で、学校の単元は終わります。だから、もったいないのです。
その数時間、教室に通っている子はヒーローになります
ここからは、教室の子どもたちの話です。
KSJの生徒たちは、3年生にもなるとほとんどが上級に進んでいます。暗算も上手です。ですから学校でそろばんの単元が始まると、その教室のなかでいちばん詳しい子になります。
学校の先生も、その子がそろばんを習っていることを把握してくださっているそうです。すると、こういうことが起こります。
- 先生の代わりに、クラスのみんなにやり方を教えてあげる
- 実際に速く計算してみせて、まわりに驚かれる
- 困っている友達のところへ行って、珠の動かし方を見せてあげる
そして、たけのり先生がいちばん嬉しそうに話すのが、この部分です。
普段クラスで目立たないような生徒も、そろばんの授業ではヒーローみたいに扱われるようです。

発表が得意なわけでもない。走るのが速いわけでもない。教室のなかで、特別に目立つ場面が多いわけではない。そういう子が、年に数時間だけ、みんなに囲まれる時間があるのです。
私たちは、その場面を直接見ることはできません。保護者の方から後で聞かせていただくだけです。それでも、あの子にそういう時間があってよかったと、毎年この時期に思います。
学校の授業をきっかけに、2年で1級に合格した子がいます
学校のそろばんの授業がきっかけで入会されるお子さんは、たくさんいらっしゃいます。
実際に触ってみて、楽しいと感じてくれる。そこから「もっとやってみたい」と体験に来てくださる。KSJでは、これがひとつの入り口になっています。
そのなかに、3年生のそろばんの授業をきっかけに入会して、そこから2年で1級に合格したお子さんがいます。しかも、一人ではありません。同じような子が何人もいます。
1級というのがどのくらいの位置なのかは、そろばんは何級からすごいのか、暗算で見る目安で詳しくお話ししています。
3年生から始めて2年ということは、5年生で1級です。決して遅いスタートではありません。むしろ、この年齢から始める子には強みがあります。
ある程度計算ができるので、頭ではなく、しっかりとそろばんのやり方で計算をすれば、短期間で1級合格も夢ではありません。
ここが大事なところです。3年生はもう計算ができるので、つい頭で答えを出そうとしてしまいます。そこをそろばんのやり方に切り替えられた子が、ぐんと伸びます。逆に言えば、そこさえ乗り越えれば、あとは速いのです。
3年生から始めるのは、遅いですか?
遅くありません。
たしかに、そろばんを始める年齢は年々早くなってきています。小さいころから学習に熱心なご家庭が増えているからです。年長さんや1年生から始める子も珍しくありません。
けれど、それは「3年生では遅い」という意味ではまったくありません。先ほどの1級のお子さんたちが、その証拠です。
そろばんは、始めたいと思ったときがいちばんの始めどきです。学年の区切りに合わせる必要はありません。この考え方については、9月・秋から始めても遅くない理由でも、実際に春組を追い抜いた子の話とあわせてご紹介しています。
「うちの子、授業で全然できなかったみたいで」という方へ
この記事を読んでくださっている方のなかには、こう感じている方もいらっしゃると思います。
「学校でそろばんをやったらしいんですが、うちの子は全然できなかったみたいで……」
この質問を、たけのり先生にそのままぶつけてみました。返ってきた答えを、そのままお伝えします。
初めてのことに取り組んでいるので、うまくいかなくて当然ですよ。たったの数時間でうまくいくことのほうが少ないです。
そのとおりだと思います。大人だって、初めて触る道具を数時間で使いこなせるようにはなりません。できなかったのは、その子の能力の問題ではなく、単純に時間が足りなかっただけです。
そして、たけのり先生はこう続けました。
うまくいかなくても、もしそろばんが少しでも楽しいと思ってもらえたら、ぜひこれを機会にそろばんを始めてみてください。意外と上手に出来ると思いますよ。
できたかどうかより、楽しいと思えたかどうか。見ていただきたいのは、そちらです。
もしお子さんが「ちょっと面白かった」と言っていたなら、それは十分すぎるサインです。焦らなくて大丈夫です。その子のペースで、ゆっくり始めればいいのです。
たけのり先生からのメッセージ
学校のそろばんの授業について、あれこれ書いてきました。カリキュラムが2桁までで終わってしまうのは惜しい、とも書きました。
それでも最後に、これだけは書いておきたいと思います。
そろばんを始めるきっかけにはなるので、学校の授業はとても大事ですけどね。
日本中の子どもたちが、3年生の3学期に、一度はそろばんに触ります。習っていない子も、そうでない子も、全員がです。これほど多くの子がそろばんに出会える機会は、他にありません。
その数時間で「面白い」と思ってくれる子が、毎年たくさん生まれます。KSJに来てくれる子たちも、その一部です。
ですから私は、あの単元にとても感謝しています。もう少しだけ先まで進めたらいいのに、という願いを持ちながら。
よくあるご質問
そろばんの授業は、今もありますか?
あります。なくなっていません。学習指導要領に定められており、小学3年生と4年生の算数で扱います。
そろばんは学校で何年生に習いますか?
小学3年生と4年生です。多くの学校では3学期に行います。教科書の単元が学年の終わりのほうに置かれているためです。
授業は何時間くらいありますか?
3年生で2〜3時間、4年生で2時間ほどです。2学年あわせても5時間前後で、教科書によって多少前後します。
学校の授業だけで、そろばんはできるようになりますか?
仕組みを知って触ってみる、というところまでです。5時間ほどで使いこなせるようになる子は、まずいません。できなくても心配はいりません。
授業の前に、習っておいたほうがいいですか?
必須ではありません。ただ習っているお子さんは、その単元でクラスの中心になることが多いようです。授業のためというより、結果としてそうなる、という形です。
学校でうまくできませんでした。今から始めても大丈夫ですか?
大丈夫です。初めてのことが数時間でうまくいくほうが少ないです。3年生の授業をきっかけに始めて、2年で1級に合格したお子さんも何人もいらっしゃいます。
「面白い」と思ったその日に、触ってみませんか
お子さんが学校でそろばんに触れて、少しでも面白いと言っていたなら、その気持ちが冷めないうちに、もう一度触らせてあげてください。
ご家庭にそろばんがなくても大丈夫です。フラッシュ暗算を無料で試すことができます。登録もいりませんし、ブラウザですぐに遊べます。学校の授業では出てこない世界なので、驚くお子さんが多いです。
もう少し先を見てみたいという方には、無料体験があります。Zoomでお子さん一人に先生が一人、所要は30分ほどです。その場で入会を決めていただく必要はありません。
当日の様子は、無料体験の申し込みから当日までの流れにまとめています。


